「OpenFOAM v2006 リリースノート」の版間の差分

 
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== '''OpenFOAM v2006 リリースノート''' ==
== '''OpenFOAM v2006 リリースノート''' ==


原文はこちら
[https://www.openfoam.com/releases/openfoam-v2006/ OpenCFD Release OpenFOAM®  v2006 (20 06)]


== アップグレード ==
== アップグレード ==
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OpenCFDは、STDMD機能の初期のMATLAB実装、有益な議論、有益な提案をしてくれたMarco Kiewat博士(ミュンヘン工科大学/AUDI)に感謝したいと思います。
OpenCFDは、STDMD機能の初期のMATLAB実装、有益な議論、有益な提案をしてくれたMarco Kiewat博士(ミュンヘン工科大学/AUDI)に感謝したいと思います。


== ビルドシステム ==


=== 新しい関数オブジェクト。ObukhovLength ===
新しいObukhovLength関数オブジェクトは、Obukhov長さ場と関連する摩擦速度場を計算します。
地上の正規高さ、すなわち z でスケーリングされた場合、オブホフ長は大気境界層のモデリングのための無次元安定性パラメータ z/L になります。これは、乱流運動エネルギーの生成と散逸における浮力とせん断の相対的な役割を表現しています。
system/controlDict.functionsを用いたこの関数オブジェクトの最小動作例を以下に示します。
<syntaxhighlight>
ObukhovLength1
{
    type            ObukhovLength;
    libs            (fieldFunctionObjects);
}
</syntaxhighlight>
ソースコード
$FOAM_SRC/atmosphericModels/functionObjects/ObukhovLength
チュートリアル
FOAM_TUTORIALS/verificationAndValidation/atmosphericModels/atmForestStability
拡張コードガイド
オブホフの長さ
=== 新しい log(x) 関数オブジェクト ===
新しい log 関数オブジェクトは、入力 volScalarField の自然対数を計算します。
f = sln(max (f0,a)) + t
ここでは: f 出力 volScalarField f0 入力 volScalarField ln 自然対数演算子 a クリップスカラ s スカラ s スケーリング係数 t オフセット係数
この関数オブジェクトの最低限の動作例を以下に示します。
<syntaxhighlight>
log1
{
    type            log;
    libs            (fieldFunctionObjects);
    field          <inpField>;
    clip            1e-3;
    checkDimensions false;
    scale          1.0;
    offset          0.0;
}
</syntaxhighlight>
Source code
$FOAM_SRC/functionObjects/field/log
Tutorial
$FOAM_TUTORIALS/incompressible/pisoFoam/laminar/cavity
Extended code guide
log
Attribution
The base of the log function object has been ported from OpenFOAM.org


=== 新しい pow(x) 関数オブジェクト ===
新しい pow 関数オブジェクトは、入力 volScalarField の電力を計算します。
f = sfn0 + t
ここでは
f 出力 volScalararField
f0 入力 volScalararField
n 指数
s スケーリングファクター
t オフセット係数
この関数オブジェクトの最低限の動作例を以下に示します。
<syntaxhighlight>
pow1
{
    type            log;
    libs            (fieldFunctionObjects);
    field          <inpField>;
    n              0.25;
    scale          1.0;
    offset          0.0;
}
</syntaxhighlight>
ソースコード
FOAM_SRC/functionObjects/field/pow/pow.H
チュートリアル
フォームチュートリアル/非圧縮性/pisoFoam/層状/空洞
拡張コードガイド
パウダー
=== サンプリングされた表面のコントロールを改善 ===
サーフェス出力フォーマットは、一般的に使用されるフォーマットと圧縮キーワードを受け入れるように拡張されています。これらの正確な意味はコンテキストに依存します。例えば、VTK出力では、バイナリ/ASCIIフォーマットを選択しますが、圧縮は無視されます。X3D出力では、出力はASCIIのままですが、出力ファイルは圧縮できます。
この変更により、boundaryDataのバイナリ出力のサポートも追加され、マップされたフィールドのファイルサイズが改善されました。
nastran および raw フォーマットでは、幾何学的なスケーリングと同様に、柔軟なディクショナリフォーマットでの独立したフィールドスケーリングがサポートされるようになりました。
例えば、以下のようになります。
<syntaxhighlight>
formatOptions
{
    raw
    {
        compression on;
        scale  1000;    // [m] -> [mm]
        fieldScale
        {
          "p.*"  0.01;  // [Pa] -> [mbar]
        }
    }
    …
}
</syntaxhighlight>
ソースコード
$FOAM_SRC/src/surfMesh/writers/nastran
$FOAM_SRC/src/surfMesh/writers/raw




== ドキュメント ==
== ドキュメント ==
OpenFOAMのユーザードキュメントのオーバーホール
過去のリリースでは、OpenCFDはユーザードキュメントの改善を続けてきました。これはOpenFOAM v2006でも継続しており、すべてのフィールド関数オブジェクトとトップセットに対応するための努力が行われています。AMIWeights関数オブジェクトの例を以下に示します。
拡張コードガイド
フィールド関数オブジェクト
トップセット
== ビルドシステム ==
=== 新しいコンパイル済みパッケージ ===
このリリースでは、Ubuntu、openSUSE、CentOS/RedHat用にコンパイル済みのバイナリパッケージをサポートすることで、OpenFOAMの使用を簡素化しています。
https://develop.openfoam.com/Development/openfoam/-/wikis/precompiled
パッケージの細分化は、さまざまな要件をサポートしています: https://develop.openfoam.com/Development/openfoam/-/wikis/precompiled#sub-packages
小実行時専用パッケージ
中規模開発パッケージ
チュートリアル付きの大規模開発パッケージ
=== wmakeのビルドシステムを改良しました。===
これにより、トップレベルのスクリプトを追加することなく、追加の機能にアクセスするための自然な手段が提供され、また、スクリプトの再利用が容易になりました。例えば、wmake -build-info.
wmakeルールは追加の環境パラメータ(FOAM_EXTRA_CFLAGS、FOAM_EXTRA_CXXFLAGS、FOAM_EXTRA_LDFLAGS)を通過するようになり、コンパイルパラメータのカスタムチューニングをサポートし、OpenFOAMコードを統合する際に追加のコンパイルパラメータが必要な状況をサポートします。
'''コンパイラ/システムサポート'''
コンパイラのルールを新しく/更新しました。
linux64用のAmdコンパイラ(AOCCコンパイラ)。
linuxARM64用の富士通コンパイラ。
Darwin用のClangルールを更新し、openmpをサポートしました。
コンパイラの派生物の扱いをより簡単にしました。
オプションの 'オーバーライド' wmake ルールのサポート
'''モジュールとMPI'''
モジュールと MPI 固有のレイヤのツリー外コンパイルをサポートする新しいインフラストラクチャが追加されました。ユーザーアップグレードガイドを参照してください。
=== 可視化モジュール ===
OpenFOAMをより柔軟にするための進行中の作業の一環として、VTK関連のコンポーネントが可視化モジュールに集約され、これらの要素が含まれるようになりました。
catalyst : ParaView/Catalystによるin-situ可視化
paraview-plugins : ParaView 用の補助リーダモジュール
runTimePostProcessing : VTKベースの処理を用いたin-situ可視化
この分割により、OpenFOAMコアを再コンパイルすることなく、異なるビジュアライゼーションコンフィギュレーションを簡単に生成することができます。
これは例えば、VTK/PararaViewのバージョンや機能の異なる組み合わせをミックスしてマッチさせるために使用されます。
触媒サブモジュールは現在では廃止され、非推奨となっていることに注意してください。
多くの普通のユーザにとって、このモジュールは無視しても問題ありません。